光陰矢のごとし

 とは言うけれど。

 

 25日に本命の国立の前期を受けてきて、ようやく私の受験生活が終わった。4日に卒業式、6日に合格発表。式まではあと5日かな。2月は日数が少ないから、こういうのを考える時に少し手間取る。何にしろ、じき高校生活が終わることになった。

 あまり感慨だとかを感じないのは実感が足りていないからなのだろうか。式の日になれば悲しくなるだろうか。式が終われば泣きたくなるだろうか。そういえば、もう、ずいぶんと泣いていない気がする。後輩の前では大泣きしたくないなぁ。みっともない。

 

 もうすぐ卒業だね、という話を友だちとすると、みんな「あっという間だったね」という旨の発言をする。その感覚がよくわからなくて、いつもあいまいな返事になってしまう。

 中学が好きじゃなかった。友だちはたくさんいたし、クラスでもうまくやれていた。中学生らしいもめ事も、おそらくは良い思い出として片付けられるようなものばかりだろう。けれど、なじめている気がしなかった。所属する場所が違う気がしてならなかった。早く高校に行きたかった。中学時代のことは、もうよく思い出せない。

 そうして合格した高校で、あこがれていた文芸部に入って、友だちは多くないし話したことのないクラスメートも何人もいるけれど、信じられないくらい楽しかった。少し男性が苦手になった。人がたくさん居る場所も苦手になった。「自分を好きにならない女の子」が初対面でほぼわかるようになった。それでも、楽しかった。善し悪しなんてわからないけれど。

 

 今はただ、3年間過ごした、という感覚だけがある。

 この感覚が理解できる人はいるのだろうか。