なんちゃって

 スカートを履くのが苦手だ。苦手だった。スカートの似合う自分というのを想像することが長い間できなかった。中学の頃、冬期にスラックスを履くことになって周りが嫌がる中、多少安心すらしていたほど。まぁでもアレは普通にダサかった。好きではない。っていうか、そんな配慮をするくらいならスカートなんて廃止すればいいのにと思う。

 高校は私服制なのでそういう心配がない。でも、不思議なことに二年のいつだか、制服が羨ましくなった。自分が無精なのをたまに忘れる。着て行く服を考えるのが面倒くさくなったのでした。

 そういうわけで、週に何度か制服を着て行くようになった。そこらで揃えたなんちゃって制服を、「服を考えるのがおっくうな日」に着る。そうやっているうちに、スカートに対する抵抗感があまりなくなった。私服でもワンピースやスカートが着られるようになった。自分に似合うものがわかってきたのかもしれない。元々ホットパンツはよく履いていたから脚を出すことには抵抗がなかったし(そう考えるとスカートの何が嫌なのかよくわからない)。

 

 導入部終了。

 

 私は自分の作る短歌を、「なんちゃって現代短歌」と言っている、という話のためにスカートのくだりを書いた。少し長すぎたかもしれない。

 父の仕事先の方の趣味が短歌だっただかで、コンクールで入賞した私の短歌を先日教えたらしい。で、今日、その歌に関する解釈を電話で語られたのだそうだ。別の方からも、こういう哲学的な歌はよい、花鳥風月は詠われ尽くしたようなものだから、というようなことを言われたとか言われないとか。テツガクテキ。

 おそらくは単に私がそういう歌人に影響を受けているだけなのだけれど、父がげらげら笑いながらその話をしていたので、なんだか楽しかった。ふはは。